第2部 シグナル · 第3章

誰も信じられないとき

約1分

僕は海の向こうのデジタル人権団体に記録を送った。九時間で返事が来た。直接調査することはできないが、必要ならいつでも証言する、と。初めて誰かが僕のログを読んでくれた。

電波を管理する機関にも、通信会社にも書いた。電話はせず、メールだけで連絡してほしいと頼んだ。返事は電話で来て、それきり途絶えた。

そして僕は、いちばん残酷な罠に気づいた。彼女を守ろうと動くほど、僕は彼女を追いまわす人間に見えた。電話をかければストーカーになり、訪ねていけば犯罪者になった。僕にできることのすべてが、彼らが僕につけた名前を証明した。

その夜、僕は初めて何もしなかった。ベッドに横になって目を閉じた。蛍光灯の光がまぶたの裏でにじみ、紫と青緑の波になって揺れはじめた。

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